介護現場のコンプライアンスにお悩みの方は、当社までご相談下さい | topics HOMEへ| 東京都介護福祉士会会員様・入会希望者様限定!香港施設見学ツアー
「暮らしが変われば人が変わる 暮らしこそ人生の「根っこ」なんです
2008年1月27日 インタビュー
人の役に立つことで輝く

近藤典子さん
もう、今から25~26年前になるでしょうか。その頃私は接骨院に勤務していました。
そこはとても繁盛していて、午前中だけでも200人ほどの患者さんが来院されており、その大部分がご高齢の方でした。その方たちの対応をするのも私の仕事だったんですが、来ていらっしゃる方々はどれほど多くの人が待っていようと、自分に感心を持って欲しいのです。ですから私は必ず一人ひとりに「あと何人ですよ」と声を掛けると同時に、できる範囲で「役割」を持っていただくようにしたんです。内科系の病気ではないので、動くこと自体がリハビリになる方や、部分的な痛みはあるけれど他は元気な方などに、スリッパをきれいに並べる係や、皆でおやつを食べた後にテーブルや床をお掃除する係などをお願いしました。そうすると皆さん、我先にとその役割を担おうとされるんですね。
介護の仕事に従事なさっている方は、本当に心優しい方が多い。でも相手がご高齢の方だからといって、思い込みで必要以上のお世話をしてしまっている場合もあるのでは?高齢者にもお元気な方はたくさんいらっしゃいます。そういう方がちょっと元気のない方を支える。できる範囲で支え合えばよいのです。人の役に立っているという実感は、人生に輝きをもたらすことにつながっていくのではと、私は考えています。
暮らしが変われば人が変わる
私の現在の専門は、アメニティアドバイザーという職業ですが、分かりやすくいえば快適な暮らしを様々な視点から提案していくという仕事です。
実はケアスタッフの皆さんにこそ、「暮らし」の大切さを知っていただきたいと思っているんです。というのも、暮らしこそ人が生きていく上でのまさに「根っこ」。根がしっかりしていなければ、決して花が咲くことはありません。
でも今は根っこの部分、すなわち「暮ら し」がないがしろにされがちです。だからそれを担うケアスタッフの仕事も、なかなか理解されづらいのではないでしょうか。そんな「暮らし」に対する意識は、現場から変えていきましょうよ。
例えば、高齢者施設のお部屋はそのままでは単なる「箱」。でもそのお部屋にご利用者の思い出の品物や趣味の物、馴染み深い物などを、ケアスタッフが上手に収めてさし上げたらどうでしょう。それをきっかけに、ご利用者が自身のことを語り、発語も増え、感情表現が豊かになる。ケアスタッフによる思いやりのあるお部屋の環境作りは、ご高齢者の眠っていた力を引出すことにさえなっていくことでしょう。
そして、在宅介護ヘルパーの方に是非知っていただきたいのが、「掃除」の持つ力です。掃除はやればやった分だけすぐに結果が見えます。だから一度の訪問で一ヵ所でもいい、一分でもいい、きちんと手助けをして見守りながら、ご利用者と一緒に掃除をしていただきたいんです。身体を動かせばリハビリにもなります。自分がやったことが結果として表われればやる気もでます。一緒にきれいにしていくことでコミュニケーションも生まれます。
このように人生を輝かせ、人を変えるきっかけは、身近な暮らしの中にたくさん存在しているのです。「暮らし」は人生の根っこ。このことをいつも忘れないでいて下さいね。
近藤典子さん
株式会社近藤典子Home&Life研究所取締役。アメニティアドバイザー、インテリアコーディネーター。これまで2000件以上のお宅の収納の悩みを解決してきた体験を生かし、どんな難題にも、その人の生活に合った効果抜群で暮らしを楽しくするアイデアを生み出しており、テレビやラジオ、雑誌、講演、またメーカー・企業との共同研究、開発など、幅広いフィールドで活躍している。近著に『近藤典子の家づくり』(集英社)などがある。







